汽水のフライフィッシングとその報酬
春、汽水、大物アメマス。
私にとって、切っても切れない組み合わせ。
ツーハンドの長ザオと、
スイングとリトリーブ、
白いストリーマーでの攻略。
なぜ、春なのか、
なぜ、汽水なのか、
なぜ、大物のアメマスなのか。
偶然などではなく、
すべてが結びつき、
釣り人の行き先を導いてくれるはずです。
ときに、驚くほどの大物が
我々を納得させてくれます。
長く沈黙の後の、突然のヒット。 川底を徘徊していたであろうその大鱒は、 何度も何度も長く強力なロッドを 絞り込みます。 緩く締めていたリールから ずるずるとラインが引きずり出されました。 7,8分近くもやり取りしたでしょうか、 浮いてきた背中が見えた時、 激しく緊張感が湧いてきました。 「あぁ、デカイ…」 正直言うと、メーター級だと思いました。
必死でメジャーを当てましたが、 何度、測り直しても、89㎝。 1cmなんて、ちっぽけな差です。 それにしたって、大きい。 最大級。 そして美しいほどの生命感。
殺す気にも、砂浜に打ち上げて 痛め付ける気にもなれません。 長い冬が明けた後の、 北の大地の恵み、 自然の恩寵、 いつものことながら 感謝せずにはいられません。 大げさをあえて言うなら、 生きていてよかった、 そんな瞬間です。